立地企業事例:株式会社東洋ボデー(東京都武蔵村山市) |
■ | トラック用リアボディー つないだ半世紀 |
東洋ボデーは、1952年の創業以来、一貫してトラック用リアボディーを手がける。
木製・アルミ製平ボディーや飲料運搬用のボトルカー、荷室の側面が開くウイングバンといった多岐にわたる種類を年間4000台~5000台製造し、国内大手トラックメーカー4社と取引する。
創業地は同三鷹市 で、72年に本社工場を現在の武蔵村山市に移転した。
移転に際しては取引関係のあった当時の日産自動車村山工場が近隣に所在していたことが最大の理由だった。
現在の立地について中条社長は「トラックメーカーのシャシー(※1)製造拠点から半径50キロメートル~60キロメートル圏内にあることが大きな利点」と中央自動車道・圏央道などへの好アクセス環境を強調する。
(※1)車の足回りにおける機構のこと
生産ラインは金属加工から塗装、組み立て、ボディーとシャシーを合わせる特装、検査まで行う体制を備える。
生産現場を含めた本社工場では、以前から力を入れているカーボンニュートラルへの取り組みを加速させている。そのひとつが太陽光発電設備の増設。
塗装工程においては、オーブンの熱源を都市ガス化するとともに断熱性の向上やワークの大きさ・質量により熱量を可変させるといった改良を視野に入れる。さらに、エア工具を電動化した際の省エネ効果について検証を進めていく考え。「細かな取り組みの積み上げで、一つひとつ進めていくことに意義がある」と力を込める。
製品面では「安全・安心」がひとつのテーマ。パーツメーカーと協業し、通信型ドライブレコーダーを顧客のトラックに取り付け、運行管理や安全運転の喚起に役立てる提案を行っている。また、床板の交換などメンテナンスについて事業拡充を検討している。
従業員は地元の東京・多摩地域在住者が9割超。「多摩地域に暮らす人はエリア内で就職を希望するケースが比較的多く、地方に比べ人材確保がしやすいのではないか」と感じている。リアボディーは少量多品種生産のため、個別仕様の設計に対応できる人材確保や育成は重要だ。溶接・塗装・電気配線といった特別な技能を持つ人材の育成にも力を入れる。
中条社長は「世の中に必要とされる企業であり続けることが大切」との信念を持つ。地域で雇用を確保・納税し、地域とともに成長していく。思い描く理想の姿は明確だ。
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会社名: 株式会社東洋ボデー -
住所: 東京都武蔵村山市伊奈平2-42-1 -
代表者: 代表取締役 中条充啓
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設立: 1963年(昭和38年)[創業1952年] -
業種: トラック用リアボディー製造販売 -
土地: 24,000平米 -
建物: 8,000平米 -
ホームページ: http://www.toyobody.co.jp/